(カ). 山三青果の運行から戻りしばらく1階休憩室にいた被告発人多田敏明

 被告発人安田繁克と諸江の酒店から会社に戻り,少しすると被告発人多田敏明が休憩室に入ってきました。午後11時から11時半の間だったと記憶にあります。被告発人多田敏明はおとなしく無口で,被告発人安田繁克との間にも会話はほとんどなかったと思います。

 もともと被告発人多田敏明を探しているというのが被告発人安田繁克が私に接近してきた口実だったのですが,用事があるようなそぶりは全く見せておらず,少しすると,帰ると言い出した被告発人多田敏明を引き留めることもありませんでした。

 28年前の記憶で,それらしい記載の書面も読んでいないのですが,強く印象に残るのは,被告発人安田繁克が酒屋で買ってきた商品の量でした。それを机の上に並べていたはずです。後から入ってきた被告発人多田敏明もそれを見ているはずになるのですが,無反応で疲れた様子にも見えました。

 この2月1日の夜のこともけっこう長い間,鮮明によく憶えていたと思います。知る限りのことを詳細に記述しているはずです。ただ,最初の頃は,この2月1日を全く違った時期と取り違え,後になって自分の記憶違いに驚いたようなことを憶えています。

 この2月1日は特定がしやすい日でした。この土曜日に福岡行きのミールを積み込み,会社の指示のままよく考えずに,月曜日に出社をしてから福岡に出発しました。夕方のフェリーに乗るのに向かったのは神戸市の魚崎だったと思います。