* 「死刑捏造: 松山事件・尊厳かけた戦いの末に」の313ページ,通夜会場で「家族の防波堤になったタミ子に次女が感謝した。」とある救援活動や弁護団らとの関係

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:CATEGORIES: 再審,国家賠償

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 「死刑捏造: 松山事件・尊厳かけた戦いの末に」は,「第十四章 晩年と死」が305ページ目で,あとがきのような「おわりに」を含めた最終ページが317ページとなっています。この12ページの間に,検察の控訴断念による無罪判決確定後のことが書いてあります。

 無罪判決が出たのが昭和59年7月11日,控訴期限は長くて14日なのでしょう。意識不明で発見されたのが平成18年7月3日,翌7月4日午前2時13分に死去,享年75とあります。

 私の知る範囲で,再審で無罪になって,釈放後に普通に社会生活を送れた人はおらず,まるで人生の墓場をみるような思いもあるのですが,この松山事件は家族の救援活動が熱心で大きかっただけに,考えさせられることが多く,それが被害者安藤文さん家族とも重なることがあります。

 今朝見つけて,すでに取り上げている仙台市の女性政治家のコラムにも,国家賠償のことが書いてありました。

678:2020-07-18_11:56:48 * 「斎藤幸夫さんの訃報に接し | 郡和子 公式ホームページ」という地元仙台の政治家の松山事件に関する記事 https://hirono-hideki.hatenadiary.jp/entry/2020/07/18/115646


幸夫さんの人生は何だったんだろう。
別件逮捕から自白を強要され犯人となり、長い裁判で死刑が確定。刑務所の死刑囚用独居房で毎日毎日死の恐怖を味わった。再審の扉がようやく開いて、やっと手にした無罪だったが、その後の人生も、周囲との折り合いが上手くつけられないことも多かったようで、幸夫さんは、晩年、引きこもりだった。

母親のヒデさんは施設に入ったと聞いていたが、幸夫さんの死をどんな思いで聞いたろう、あるいは、知らぬまま、かもしれない。

国家賠償訴訟、人生の取り返し裁判に、最高裁で敗れた2001年ごろからだろう、幸夫さんの酒量は増えていった。
酔うことしかできなくなって、元死刑囚、斎藤幸夫さんが、逝った。…悲しい。

ご冥福をお祈りする。

[source:]斎藤幸夫さんの訃報に接し | 郡和子 公式ホームページ http://www.koorikazuko.jp/column/583/

 「国家賠償訴訟、人生の取り返し裁判に、最高裁で敗れた2001年ごろからだろう、幸夫さんの酒量は増えていった。酔うことしかできなくなって、元死刑囚、斎藤幸夫さんが、逝った。…悲しい。」とあります。 

674:2020-07-17_00:58:38 * 「仙台地方裁判所 昭和60年(ワ)832号 判決」という松山事件の国家賠償請求棄却判決 https://hirono-hideki.hatenadiary.jp/entry/2020/07/17/005837

 上記のエントリーとして取り上げていますが,「仙台地方裁判所 昭和60年(ワ)832号 判決」とあります。よく考えていなかったのですが,この事件番号というのは受理された年のことだと思います。

 「(ワ)」というのは事件の種別ですが,再審請求の場合は「(た)」となっていました。私の場合は,それがすべて「金沢地方裁判所平成○年(た)1号」などとなっていました。

 通常,判決は言い渡しの公判期日で表現されるのですが,事件番号となっているので勘違いする人もいそうです。そういう私も,判決日のことかと思っていたのですが,昭和59年7月11日の再審無罪判決で,翌年の昭和60年に国賠の判決が出るのは早すぎるとは思っていました。


以上のとおりであるから、争訟についての裁判が国家賠償法上違法であるといえるのは、裁判官が違法又は不当な目的をもって裁判をしたなど、裁判官がその付与された権限の趣旨に明らかに背いてこれを行使したものと認めうるような特別の事情がある場合である必要があるというべきであり、このことは、刑事事件において再審により無罪判決の確定した場合の原確定判決においても同様である(平成二年七月二〇日最高裁判所第二小法廷判決・民集四四巻五号九三八頁)。

2  検討

右1に従って、原告らが違法であると主張する確定第一審、確定控訴審及び確定上告審各裁判所の審理判断に関する事実を見るならば、いずれも、裁判官が違法又は不当な目的をもって裁判をしたなど、裁判官がその付与された権限の趣旨に明らかに背いてこれを行使したものと認めうるような特別の事情があるものとは認められないから、右原告らの主張を採用することはできない。

五結論

以上のとおり、松山事件について、警察職員による捜査、検察官による捜査、公訴の提起追行、裁判所による裁判のいずれにおいても、違法があったと認めることはできないから、その他の主張事実について判断するまでもなく、原告らの請求は理由がない。

よって原告らの請求を棄却することとし、訴訟費用の負担につき民訴法八九条、九三条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官岩井康倶 裁判官吉野孝義及び裁判官針塚遵は、転補のため署名押印できない。裁判長裁判官岩井康倶)

[source:]仙台地方裁判所 昭和60年(ワ)832号 判決 - 大判例 https://daihanrei.com/l/%E4%BB%99%E5%8F%B0%E5%9C%B0%E6%96%B9%E8%A3%81%E5%88%A4%E6%89%80%20%E6%98%AD%E5%92%8C%EF%BC%96%EF%BC%90%E5%B9%B4%EF%BC%88%E3%83%AF%EF%BC%89%EF%BC%98%EF%BC%93%EF%BC%92%E5%8F%B7%20%E5%88%A4%E6%B1%BA

 上記に,「以上のとおり、松山事件について」から始まる締めくくりの部分を引用しました。通常,判決文には裁判官の名前と一緒に,日付があると思うのですが,それが見当たりません。

 ちょっと忘れていたのですが,他にもありえない記載がこの判決文にはありました。「刑事事件において再審により無罪判決の確定した場合の原確定判決においても同様である(平成二年七月二〇日最高裁判所第二小法廷判決・民集四四巻五号九三八頁)。」という部分です。

 と書いたところで,間違いに気が付きました。「平成二年七月二〇日最高裁判所第二小法廷判決」とあるのですが,私にはこれがずっと「令和二年」と見えていたのです。魔法に掛かっていたような不思議な気分です。

 令和二年のつもりで読み直したところ,「七月二〇日」となっていて,今日の日付が7月18日なのでまだ訪れていない未来の日付だと気が付きました。

 このページは「大判例」となっていて,末尾に次の断り書きがあります。これを読むのは2回目になると思うのですが,1回目も重要と思わせる大発見の判例でした。山中事件の控訴審判決になります。最高裁の差し戻し前,一審の死刑判決を支持した控訴審判決です。


「大判例」は20世紀で日本国憲法下の裁判例のうち,公刊物に掲載されたものをまとめたインターネット判例集です。原則として公刊されたものをそのまま載せています。

憲法により判決は公開とされており,法曹および法律研究者に利用されているものです。その公共性と平等主義の観点から,送信防止措置または改変には一切応じませんのでご了承ください。

[source:]仙台地方裁判所 昭和60年(ワ)832号 判決 - 大判例 https://daihanrei.com/l/%E4%BB%99%E5%8F%B0%E5%9C%B0%E6%96%B9%E8%A3%81%E5%88%A4%E6%89%80%20%E6%98%AD%E5%92%8C%EF%BC%96%EF%BC%90%E5%B9%B4%EF%BC%88%E3%83%AF%EF%BC%89%EF%BC%98%EF%BC%93%EF%BC%92%E5%8F%B7%20%E5%88%A4%E6%B1%BA

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> » 奈良地方裁判所 平成6年(わ)393号 判決 - 大判例 https://t.co/city0eIapl

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> » 富山地方裁判所 昭和55年(わ)128号 判決 - 大判例 https://t.co/wuWfuFcIPZ

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> 仙台地方裁判所 昭和60年(ワ)832号 判決 - 大判例 https://t.co/rCdMj6T0WU (一) 原告甲野一夫(以下「原告一夫」という。)は、昭和六年三月一六日生の男子であり、原告甲野春子(以下「原告春子」という… https://t.co/mUxkTHD4em

奉納\さらば弁護士鉄道・泥棒神社の物語(@hirono_hideki)/「大判例」の検索結果 - Twilog https://t.co/mOfTGQoeSO ツイートが見つかりませんでした

刑事告発・非常上告_金沢地方検察庁御中(@kk_hirono)/「大判例」の検索結果 - Twilog https://t.co/PKZtPBD9WT

 奉納\さらば弁護士鉄道・泥棒神社の物語(@hirono_hideki)には該当がなく,再捜査要請書_警察庁石川県警察御中(@kk_hirono)には奈良地裁が2019年10月13日のツイートとして,富山地裁が2020年6月19日のツイートとしてありますが,山中事件は見当たりません。

 奈良地裁判例は,事件の内容が無関係で「大島忠郁」という人物の検索で見つけメモをしていたようです。奈良で心当たりのある事件は,警察が医師を拷問死させたとされる事件の関連しか思い当たるものがなかったのですが,平成6年は明らかにおかしいと思いました。

 富山地裁判例は,富山・長野連続女性誘拐殺人事件の判決でした。「被告人宮﨑知子を死刑に処する。」,「被告人北野宏は無罪。」とあります。こういう複数の被告人の名前のある主文は,初めてみたとも思ったのですが,前にも目にしながら気に留めていなかったようです。

名古屋高等裁判所金沢支部 昭和50年(う)182号 判決 - 大判例 https://t.co/y0lJL2kERE

 ページタイトルに「大判例」とあるのですが,Twilogに記録がなかったのは不思議です。しかし,この検索で,最高裁の差し戻し後の名古屋高裁金沢支部判決もあるらしいことがわかりました。このあと内容を確認します。

名古屋高等裁判所 平成元年(う)182号 判決 - 大判例 https://t.co/2fwPL99Rqs

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