(イ). 夕方の暗い時間,2階の事務所から降りてきて,「広野さん,今日どっか走るが?」とたずねた被害者安藤文さん

 10月12日というのは,まだ日の長い時期と思いますが,外はすっかり暗くなっていました。そんな時間まで被害者安藤文さんが会社にいたのも珍しいことです。

 18時半頃かもしれません。会社前の道路に新車の大型ウィング車3068号を横付けした状況で,会社前で私は被告発人安田敏と話をしていました。そこに被害者安藤文さんが2階事務所から降りてきて,私に声をかけたのです。

 明るく弾むような声にも感じたのですが,彼女は私に,「広野さん,今日,どっか走るが?」と尋ねてきました。

 2階事務所は電気がついていましたが,その時間としては珍しいことです。何人か人が残っている様子でした。以前は,そのとき誰がいたのか憶えていたかもしれません。